2026/11/03 17:32
『クリスマス・キャロル』の作者としても知られる、英国の作家チャールズ・ディケンズ。
英国Cope’sの「Dickens Character Series」。チャールズ・ディケンズの物語に登場する人物を描いた、全25枚のシガレットカードをご紹介します。
帽子や上着、手のしぐさ、ちょっと癖のある表情。並べて眺めると、小さな舞台に役者たちが集まっているようです。
【ディケンズは、どんな作家?】
チャールズ・ディケンズ(1812–1870)は、19世紀の英国で活躍した小説家。『オリバー・ツイスト』や『クリスマス・キャロル』などで知られています。
急速に発展する街で暮らす人々や、貧困、社会の不公平を描く一方で、ユーモアや人の温かさも大切にした作家でした。善良な人も、ずるい人も、少し困った人も。その人らしい言葉や振る舞いが、物語の中で強く印象に残ります。

① 肖像:Wikimedia Commons(Public Domain)
② 挿絵:Yale Center for British Art(CC0)
【主役だけではない、25人の顔ぶれ】
このシリーズには、12作品から選ばれた人物が登場します。
たとえば『ピクウィック・ペーパーズ』からは、ピクウィック氏、機転の利くサム・ウェラー、眠ってばかりいる少年ジョー。旅先での出会いや騒動を描く、ユーモラスな物語の顔ぶれです。
『オリバー・ツイスト』からは、フェイギンやアートフル・ドジャーなど、孤児オリバーを取り巻く人物たち。かわいらしい絵柄の向こうに、当時の社会の厳しさものぞきます。
『デイヴィッド・コパフィールド』からは、お人好しのミコーバー氏や、謙虚さを装うユライア・ヒープなど。同じ物語の人物を見比べると、姿勢や表情の違いも気になってきます。
【気になるおじ様を、ふたり】
ターヴィードロップ|『荒涼館』

息子に働かせ、自分は礼儀と身なりに夢中。立派な紳士らしく見せることに心を配る、少し困ったおじ様です。帽子を手にした姿にも、その気取りがにじんでいるようです。
ミコーバー氏|『デイヴィッド・コパフィールド』

金銭苦の中でも、いつか物事は好転すると期待を捨てない人。大げさな物言いと楽天的な性格が印象に残ります。困っているはずなのに、どこか楽しげに見える表情にも惹かれます。
物語を読んでからカードを眺めても、気になる顔から作品を知っても。文学への入り口として楽しめるのも、このシリーズの魅力です。

【裏面にも、物語の手がかりを】
カードを裏返すと、人物名や作品名、物語の一節が記されています。表の人物を眺めてから、裏面の言葉をたどる。絵と文章を行き来する楽しみがあります。
【25枚を、小さなギャラリーに】
今回は全25枚がそろっているので、シリーズのまま眺められる額装を考えました。
5枚ずつ、5段に。白い余白を挟み、細い黒のフレームで囲むと、一人ひとりの個性と、シリーズ全体の統一感が引き立ちます。

※実物のカード画像を用いた額装イメージです。完成品の写真ではありません。
本棚のそばや、ゆっくりお茶を飲む場所に。小さなカードから、ディケンズの物語を身近に楽しんでいただけたらと思います。
【今回ご紹介したカードセット】
Cope’s Dickens Character Series 全25枚セット
シリーズ発行:1939年
